PICとkeyestudioでマイコン制御:PIC16F84Aで制御する環境を構築しよう。

2025年5月11日

【 当サイトには広告リンクが含まれています。 】

PICには数百種類に及ぶシリーズがありますが、中でも初代定番と言われたPIC16F84Aを使って、keyestudioが提供しているLEDやセンサ等のモジュールを制御していきます。

「PIC16F84Aで制御する環境を構築しよう。」では、マイクロチップ社が無償で提供している統合開発環境(MAPLAB X IDE)をWindows11パソコンにインストールして、PIC16F84Aのプログラムを作成できるようにします。

作成したプログラムをPIC16F84Aに書込み、実際にブレッドボードや電源等の部品を接続し、keyestudioのモジュールの制御ができるようにしていきます。



PIC16F84Aの概要、命令セットについては、こちらを参考にしてください。


はじめに

「PICとkeyestudioでマイコン制御」では、PIC16F84Aと「micro:bitとkeyestudioでマイコン制御」の実験で使った「KEYESTUDIO 37センサースターターキット micro:bit V2付」のモジュールを利用して、マイコン制御の基本を実習します。


microbitプログラミングを10代から大人まで簡単に学習することができ、子供たちのSTEM学習にも適した製品です。


プログラムの基本的な開発手順

PICプログラムの基本的な作成手順は次のとおりです。


▶️ソースプログラムの作成

マイクロチップテクノロジー社から無償で提供されている「MPLAB X IDE(統合開発環境)」を利用して、ソースプログラムをアセンブラ言語(ニーモニック)で作成します。

▶️アセンブル

アセンブルは、アセンブラ言語(ニーモニック)で作成したソースプログラムを、機械語に変換する作業で、「MPLAB X IDE(統合開発環境)」を使って行います。

文法誤り等のエラーが発生した場合は、ソースプログラムの修正とアセンブルをエラーが無くなるまで行います。

▶️シミュレーション

実機で作成したプログラムの機能を確認する前に、必要に応じて「MPLAB X IDE(統合開発環境)」を使って事前に模擬実験を行い、機能を確認します。

問題がある場合は、ソースプログラムの修正とアセンブル、シミュレーションを問題が解消されるまで繰り返します。

▶️PICに書込み

PICライタを使って、アセンブルした機械語プログラムをPIC16F84Aのプログラムメモリに書込みます。

▶️実機で性能確認

機械語プログラムを書込んだPIC16F84Aと周辺回路と接続し、実際の機能を確認します。


MPLAB X IDE 6.20の利用

マイクロチップテクノロジー社から無償で提供されている「MPLAB X IDE(統合開発環境)」を、Windows11パソコンにインストールして、アセンブラ言語の学習を行います。

MPLAB X IDE 6.20のダウンロード

2025/05/02現在の最新バージョンは「v6.25」ですが、このバージョン以降は、PICkit 3プログラマ、MPLAB ICD 3およびMPLAB REAL ICEインサーキットエミュレータがサポートされませんので、ここでは、バージョン「v6.20」を利用します。

MPLAB Development Ecosystem Downloads Archive」ページにアクセスします。

ページを送っていくと、Windows (x86/x64) の「MAPLAB v6.20」がありますので、クリックします。



任意のフォルダに「MPLABX-v6.20-windows-installer.exe」を保存します。

MPLAB X IDE 6.20のインストール

保存した「MPLABX-v6.20-windows-installer.exe」を起動すると、Setup Wizardダイアログが表示されますので、「Next>」をクリックします。


License Agreememtダイアログが表示されますので、「I accept agreement」を選択し、「Next>」をクリックします。


Installation Optionダイアログが表示されますので、必要があれば「Installation Directory」を変更し、「Use System Proxy Setting」を選択後、「Next>」をクリックします。


Select Applicationsダイアログが表示されますので、「MPLAB X IDE」 、「MPLAB X IPE」、「8-bit MCUs」を選択し、「Next>」をクリックします。


Setup is ready to begin installing MPLAB X IDE v6.20 on your computer.ダイアログが表示されますので、「Next>」をクリックします。


インストールが始まります。(インストールには数分~数十分かかります)


セットアップ完了のダイアログが表示されますので、「Install latest MPLAB XC8 compiler v3.00(8-bit devices)」が選択されていうることを確認し、「Finish」をクリックします。

「Install latest MPLAB XC8 compiler v3.00(8-bit devices)」は、8ビットPIC用のCコンパイラです。



MPLAB XC8(8ビットPICマイコン用のCコンパイラー ) v3.00のダウンロードが自動的に始まります。


Setup - MPLAB XC8 C Compilerダイアログが表示されますので、「Next>」をクリックします。


License Agreememtダイアログが表示されますので、「I accept agreement」を選択し、「Next>」をクリックします。


Licensingダイアログが表示されますので、「Free」を選択し、「Next>」をクリックします。


Installation Directory ダイアログが表示されますので、必要があれば「Installation Directory」を変更し、「Next>」をクリックします。


Coppiler Settingsダイアログが表示されますので、「Apply setting to all users of this machine」を選択し、「Next>」をクリックします。


Ready to Install Compilerダイアログが表示されますので、「Next>」をクリックします。


インストールが始まります。


Licensing Informationダイアログが表示されますので、「Your Host ID is」(0c54axxxxxxx)を控え、「Next>」をクリックします。


セットアップが完了のダイアログが表示されますので、「Finish」をクリックします。


MPLAB X IDE 6.20の起動

デスクトップ画面に「MPLAB X IDE v6.20」のアイコンがありますので、ダブルクリックするとスプラッシュが表示されます。


MAPLAB X IDE v6.20が表示されます。


右上の「X」をクリックて、MAPLAB X IDE v6.20を終了します。

部品

PICマイコン、セラミック発振子、固定抵抗等の、実験に使う部品を準備します。

部 品 名規 格数 量取扱い店(参考)
PICマイコンPIC16F84A-20I/P1秋月電子通商
セラミック発振子
(セラロック)
CSTLS10M0G53-B01秋月電子通商
006Pアルカリ電池9VGL6F22A1秋月電子通商
ブレッドボード用
USB電源モジュール
MB1021電子工作ステーション
カーボン抵抗1/4W 10KΩ1電子工作ステーション
積層セラミック
コンデンサ
0.1μF/ 50V / 2.54mm1電子工作ステーション
電解コンデンサ10μF/50V/105℃1電子工作ステーション
ブレッドボード(400穴)(凹凸マイナス側)2電子工作ステーション
ブレッドボード・
ジャンパーワイヤーSET
14種×10本1電子工作ステーション
ジャンパーワイヤオス-メス(約20cm)1電子工作ステーション
ジャンパーワイヤオス-オス(約20cm)1電子工作ステーション
スナップ電源ケーブル9V電池用1電子工作ステーション


PICマイコンライタ(PIC K150)

書込みツールは作成したプログラムをPICに書込むための装置で、正規品の他に、サードパーティー製品等があります。

「PICとkeyestudioでマイコン制御」では、デバッグ機能やPIC以外のマイコンへの書込みは必要としないため、PIC K150を使用ます。

PIC K150で使用するソフト及びドライバーについては、一般のサイトよりダウンロードしますので、各自の責任で使ってください。

部 品 名規 格数 量取扱い店(参考)
PICマイコンライタPIC K1501Amazon


正規品のマイクロチップ PICkit5は、こちらを参考にしてください。


書込みソフトのダウンロード

「Phipps Electronics」より書き込みソフト(microbrn.exe)をダウンロードするため、こちらのサイトにアクセスします。

下にスクロールしていくと、PIC K150 Programmer Software Download – Windowsがありますのでクリックします。


PIC_Program_Software_English_Version.zipファイルを任意のフォルダに保存します。


書込みソフトの起動

ダウンロードした圧縮ファイルを解凍します。


PIC K150を付属のUSBケーブルを使ってパソコンに接続します。


microbrn.exeをダブルクリックして起動すると、「There appears to be a problem accessing the COM Ptort」(COMポートへのアクセスに問題があるようです。)のエラーが表示がされることがありますので、「OK」をクリックした後、右上の「X」をクリックしてプログラムを終了します。


COMポートの確認

PIC K150のCOMポート番号を確認するため、デバイスマネージャーを起動し、ポート(COMとLPT)を開きます。


「PL2303HXA PHASED OUT SINCE 2012 PLESE CONTACT YOUR SUPPLIRE」(PL2303HXAは2012年より販売終了しています。)となっており、Windows11ではサポートされていませんので、対応しているUSB to UART Profilicドライバをインストールします。

PL2303 Ver13.0 Windows Driverのダウンロード

Google ドライブからドライバー(PL2303_Prolific_DriverInstaller_v130.zip )をこちらからダウンロードします。

ダウンロードアイコンををクリックします。


PL2303_Prolific_DriverInstaller_v130.zipファイルを任意のフォルダに保存します。



PL2303 Ver13.0 Windows Driverのインストール

ダウンロードした圧縮ファイルを解凍します。


PL2303_Prolific_DriverInstaller_v130.exeをダブルクリックして実行すると、「ようこそ」ダイアログが表示されますので、「削除」を選択し、「次へ」をクリックします。

この処理はすでにドライバがインストールされている場合に表示されますが、ドライバがインストールされていない場合は、表示されません。



「ファイル削除の確認」ダイアログが表示されますので、「はい」をクリックします。


「アンインストール完了」ダイアログが表示されますので、「完了」をクリックします。


再度、PL2303_Prolific_DriverInstaller_v130.exeをダブルクリックして実行すると、「PL-2303 USB-to Serialセットアップへようこそ」ダイアログが表示されますので、「次へ」をクリックします。


インストールが開始され、「InstallShield Wizardの完了」ダイアログが表示されますので、「完了」をクリックします。


PL2303 Driverの設定

デバイスマネージャーを起動し、ポート(COMとLPT)を開きます。

ポート(COMとLPT)が表示されていない場合は、PIC K150をパソコンから取りはずし、再度、取り付けます。



「PL2303HXA PHASED OUT SINCE 2012 PLESE CONTACT YOUR SUPPLIRE」を右クリックして、リストボックスから「ドライバーの更新」を選択します。


「ドライバーの更新 - PL2303HXA PHASED OUT SINCE 2012 PLESE CONTACT YOUR SUPPLIRE」ダイアログが表示されますので、「→コンピュータを参照してドライバーを検索(R)・・・」をクリックします。


ドライバーの検索ダイアログが表示されますので、「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します(L)・・・」をクリックします。


「このハードウェアのためのインストールするデバイスドライバーを選択してください。」ダイアログが表示されますので、「Plolific USB-to-Serial Comm Port バージョン:3.3.11.152[2010/03/12]を選択し、「次へ」をクリックします。


ドライバーがインストールされ、「ドライバーが正常に更新されました」ダイアログが表示されますので、「閉じる」をクリックします。


デバイスマネージャーのポート(COMとLPT)の内容が、「Plolific USB-to-Serial Comm Port (COM6)」に更新されます。

PIC K150のCOMポートの設定時に、COMの番が必要となりますので、番号(ここでは6)を控えておきます。(番号はパソコンの使用状況で変わります。)



確認後。デバイスマネージャーを終了します。

PIC K150のCOMポート設定

書込みソフト(microbrn.exe)を起動すると、「There appears to be a problem accessing the COM Ptort」(COMポートへのアクセスに問題があるようです。)のエラーが表示がされますので、「OK」をクリックします。


メニューから「File」を選択すると、リストボックスが表示されますので、「Port」をクリックします。


「Kitsrus.com Serial Port Change」ダイアログが表示されますので、「Enter Port Value」にデバイスマネージャーで設定したCOMポート番号(6)を設定し、「OK」をクリックします。


microbrn.exeを終了後、再起動し、COMポートへのアクセスエラーが表示されないことを確認します。


microbrn.exeを終了します。


実験回路

keyestudioのモジュールを制御する回路をブレッドボードに上の制作します。

配線図



回路図



まとめ

マイクロチップ社が無償で提供している統合開発環境(MAPLAB X IDE)をWindows11パソコンにインストールして、PIC16F84Aのプログラムを作成できるようにしました。

作成したプログラムをPIC16F84Aに書込むための、PICマイコンライタ(PIC K150)を準備しました。

ブレッドボード上にPICや電源等の部品を接続し、モジュールの性能確認ができるようにしました。